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今月のBGM December 2021

2021年12月7日

CRANKでは毎月店内BGMを西麻布にお店を構えるQWANG(クワン)のオーナ・バーテンダー長谷川さんに選曲いただいてます。店内では、「今月の3枚」というコンセプトで毎月ご紹介いたしております。

『A Christmas Gift For You』 Phil Spector

名プロデューサー、フィル・スペクターによって作られた1963年にリリースされたクリスマス・ ソングの企画アルバムです。当時フィルのレコード・レーベル「フィレス・レコーズ」に所属して いた4組のアーティストがクリスマスの名曲をカヴァーしています。世界中に無数のクリスマス・ アルバムがありますが発売から60年近く経ってもなお、これ以上クリスマスの気分を盛り上げて くれる音楽を僕は知りません。言わずと知れた名曲名演ぞろいですが、中でもフィルとエリー・グ リーンウィッチ、ジェフ・バーリィ作の11「Christmas(Baby Please Come Home)」ではダーレン・ ラヴのヴォーカルが素晴らしいです。このアルバムがリリースされた1963年11月22日は奇しくも ジョン・F・ケネディが暗殺された日で、アメリカはとてもクリスマスを祝う気分ではありません でしたが、その後レーベルを何度も変えリリースされ続けている名盤中の名盤です。

『If I Should Fall From Grace With You』 The Pogues

イギリスのロックバンド、ザ・ポーグスが1988年にリリースした3rdアルバムです。アイルランド 人の両親を持つヴォーカルのシェイン・マガウアンを中心にアイルランドにルーツを持つメン バーで82年にロンドンで結成され、ケルト民謡やアイリッシュ・トラッド、パンク・ロックを合 わせた「ケルティック・パンク」と呼ばれた無二の音楽で80年代を駆け抜けたザ・ポーグス。最 近の事情はわかりませんが長年に渡って多くのイギリス人が好きなクリスマス・ソングは、ワム の「ラスト・クリスマス」でもジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス(ウォー・イズ・オー ヴァー)」でもなくザ・ポーグスとカースティ・マッコールが歌う4「Fairlytale Of New York」 だそうです。アイルランドから夢を抱いて移民としてニュー・ヨークへやって来た夫婦の挫折と希 望、憎しみと愛、そして故郷アイルランドへの郷愁が描かれたこの歌の歌詩は毎年のようにイギリ スではラジオで流す事が問題とされるのですが、この美しいメロディに描かれた詩はやはりシェ インらしいクリスマスへの賛歌だと思いますし、この季節にはどうしても欠かせない1曲です。他 の曲達も海を渡ったアイリッシュの先人達が、行き着いた先での生き様を描いているかのような 歌がならびますが、とにかく聴くたびに踊り出したくなるような最高な1枚です。

『I Dream Christmas』 Norah Jones

今更クリスマス・アルバムの新譜が出てもそれ程興味は湧かないのですが、ノラ・ジョーンズが リリースしたのであれば話は別です。2021年10月にリリースされた最新作は定番のクリスマス・ ソングが7曲、ノラの自作曲が6曲の全13曲のクリスマス・アルバムです。彼女のピアノも歌も小 編成のバンドのアレンジもとっても良いです。ずっとそばに置いておきたい1枚になりました。