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10月の店内BGM

2020年10月18日

CRANK店内の音楽をご紹介する「今月の3枚」。

西麻布にお店を構えるQWANG(クワン)のオーナー・バーテンダー長谷川さんに選曲いただいた10月のCD、3枚をご紹介させていただきます!

10月に入り、ツーリングやミーティングの話題もようやく聞こえてくるようになりましたね。

お客様からも休日のドライブの計画をお聞きする機会が増えてきました。

「今月の3枚」はJAZZ特集、是非ドライブミュージックの参考にしてみてください。

音楽と車の休日を楽しみましょう!

(http://qwang.sakura.ne.jp/ → QWANG)

『Live at Carnegie Hall』
Dexter Gordon
1986年に公開された映画「Round Midnight」 でニューヨークからパリヘやって来た腕は一流だが、酒とドラッグに溺れたテナーサックス奏者、 ディル·ターナー役を演じたデクスター·ゴードン。
映画は実在したジャズミュージシャンのバドパウエルともレスター·ヤングがモデルと言われていますが、同じ時代を生きたゴードンの演じているのか素なのかがわからない演技はとても印象的でした。映画の中の実際に繰り広げられている演奏も素晴らしいのですが、彼の喋りかたや歩きかたが紛れもなく「JAZZ」だと感じました。
長く暮らしたヨーロッパから帰国して、1978年9月、 ニューヨークのカーネギーホールでの演奏を録音したこのアルバムでゴードンは当時の若手のミュージシャン達ととてもリラックスした演奏を聴かせてくれています。
アルバム後半でのジョニー·グリフィンとのテナーサックスでの共演も嬉しい限りです。僕のおすすめは1曲ごとに語られるゴードンのMCです。
これもやはり 「JAZZ」 だと思います。
『lullaby and The Ceaseless Roar』
Robert Plant
2014年にリリースされた、ロバー ト·プラントのソロ10作目。
世界中の注目を浴びた2007年12月10日、ロンドンのO2アリーナで行われた1夜限りの再結成ライヴを行ったレッド·ゼッペリン。その約2ヶ月前の10月、ヴォーカリストのロバート·プラントはカントリー·ブルーグラス歌手のアリソン·クラウスと連名でアルバム『Raising Sand』 をリリースしました。
『Raising Sand』は、 その年のグラミー賞では主要2部門を含む5部門門を受賞して、ロバート·プラントがソロ·シンガーとして再び脚光を浴びることとなります。
ゼッペリン時代や解散後のジミーペイジとのコラボレーションでの歌唱スタイルではなく、天使の声の様なアリソン·クラウスの声に導かれるようなプラントの優しい歌声に中学の時からレッド·ゼッペリンの音楽にあわせて首を振っていた僕は本当に驚きました。
このアルバム以降のプラントは自身のルーツであるブルースをベースに作品をリリースしていきます。『lullabyand The Ceaseless Roar」 でプラントはアフリカやケルト、中東、 カントリー、ブルース、ロック、様々なバックグラウンドを感じさせる他の誰もがやっていない音楽を聴かせてくれています。
世界中のレッド·ゼッペリンのファンや元メンバーのジミーペイジは再結成に前向きという噂をよく耳にしますが、プラントはとても消極的です。
この様な音楽にたどり着いてしまった彼にはもう過去を振り返る必要がないのかもしれません。
『All Rise』
Gregory Porter
現代最高のジャズ· ヴォーカリスト、グレゴリー·ポーターのオリジナルアルバムとしては4年ぶりになる2020年8月にリリースされた最新作。
71年にカリフォルニアで生まれたポーターは幼少期にゴスペルを歌いはじめ、6才でナット·キング·コールやルイ·アームストロングらの音楽に出会いジャズに引き寄せられていったそうです。現在はブルックリンを拠点に活動する「ジャズ·シンガーソングライター」。
本作は全てポーター自身による書き下ろしの楽曲で、LAとパリのスタジオで録音されたポーターと彼のバンドの音源に、ロンドンのアビー·ロード·スタジオォで録音されたロンドン交響楽団のストリングスを重ね合わせた”gorgeous” な作品です。
アルバム全体を通してポジティブなメッセージが溢れていて、ポーターの深く温かい歌声ととてもリラックスを感じさせるバンド·サウンド、 美しくヴォーカルに寄り添うストリングスで構成されたとても充実した内容です。
ジャンルを飛び越えた彼が尊敬する、プラック·アメリカン·パフォーマーの先人達へのリスペクトをアルバムの随所で感じることができます。